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AIエージェント

AIエージェント・フレームワーク比較|LangGraph・CrewAI・MAF・ADK・Agents SDK【2026】

YDAIコンサルティング株式会社 AI編集部

一次ソース検証型AIメディア編集部 ・ 監修: 依田 尚人

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目次

「AIエージェントを自社で作りたいが、LangGraph・CrewAI・Microsoft Agent Framework・Google ADK・OpenAI Agents SDK のどれを基盤にすべきか分からない」——フレームワークが増え、設計思想の違いが見えにくくなっている。

まず押さえたいのは、これらが「AIコーディングツール」で扱う完成ツールとは別物で、自律エージェントを自分で開発するためのライブラリ・SDKだという点だ。本記事は2026年6月1日時点の公式リポジトリと最新リリースに基づき、特定の基盤を推さず中立に整理する。

AIエージェント・フレームワークは「設計思想」と「自社のスタック」で選ぶ。長時間動く複雑な制御を細かく書くなら LangGraph(低レベル・グラフ型)、チーム協調を素早く組むなら CrewAI、.NETや企業運用を含むなら Microsoft Agent Framework、Google・Vertex系なら Google ADK、OpenAI中心に軽量に始めるなら OpenAI Agents SDK が起点になる。5つとも2026年時点でOSS・マルチエージェント・状態管理に対応する。完成済みのコーディング支援ツールとはレイヤーが異なる「エージェントを作る基盤」である。

FW提供元言語設計思想ライセンス最新版(2026-06-01)
LangGraphLangChainPython(+JS)グラフ型・低レベルMITコア 1.2.2
CrewAICrewAI Inc.Python役割協調+イベント駆動MIT1.14.6
MS Agent FrameworkMicrosoftPython・.NETグラフベース多エージェントMITpython-1.7.0
Google ADKGooglePythonコードファースト・グラフ実行Apache 2.0v2.1.0
OpenAI Agents SDKOpenAIPython(+JS)軽量primitive中心MITv0.17.4

バージョンは2026年6月1日時点のGitHub release実値。採用時は各リポジトリで最新版を確認してほしい。エージェントの考え方は「AIエージェントとは」を前提とする。

結論:選び方の早見(フル比較表)

万能の1位はない。設計思想と自社スタックで起点が決まる。まず5つを横並びにする。

コーディング支援ツールとエージェント開発フレームワークのレイヤー図

評価軸LangGraphCrewAIMS Agent FrameworkGoogle ADKOpenAI Agents SDK
言語Python(+JS)PythonPython・.NETPythonPython(+JS)
ライセンスMITMITMITApache 2.0MIT
設計思想グラフ型・低レベル役割協調+Flowsグラフベース多エージェントコードファースト軽量primitive
マルチエージェント
状態管理○(checkpointer)○(checkpointing)○(Sessions)
最新版コア 1.2.21.14.6python-1.7.0v2.1.0v0.17.4

比較の評価軸

効いてくるのは次の3軸だ。

設計思想(グラフ型・役割協調・軽量)

最大の違いは「どの粒度で書くか」だ。LangGraphは低レベルでグラフ(ノードと状態遷移)を細かく制御し、CrewAIは役割協調(Crews)とイベント駆動(Flows)を高レベルで素早く組む。Microsoft Agent FrameworkとGoogle ADKはグラフベース実行を備え、OpenAI Agents SDKは Agents・Handoffs・Guardrails という軽量primitiveを中心に据える。制御の細かさか開発スピードかが分岐点だ(出典: 各公式リポジトリREADME・参照2026-06-01時点)。

言語とライセンス

5つともPython中心で、LangGraphとOpenAI Agents SDKはJS/TS版も持つ。Microsoft Agent Frameworkは Python と C#/.NET を一貫APIで両対応する。ライセンスは Google ADK のみ Apache 2.0、残る4つは MIT。いずれも商用条件は緩いが、種類が異なる点は社内方針に応じて確認したい(出典: 各公式リポジトリREADME・参照2026-06-01時点)。

対応機能(マルチエージェント・状態管理・MCP)

マルチエージェントと状態管理は5つとも備える。LangGraphは checkpointer による durable execution、OpenAI Agents SDK は Sessions で会話履歴を自動管理する。MCP(外部ツール接続の標準)は CrewAI・Microsoft Agent Framework・OpenAI Agents SDK が公式に対応を明示。LangGraph単体のMCPと Google ADK のMCP・モデル非依存性は公式READMEでは断定できず「要確認」とする(推測で対応とは書かない)。MCPの仕組みは「Claude CodeとMCPの連携手順」で扱う(出典: 各公式リポジトリREADME・参照2026-06-01時点)。

各フレームワークの詳細

1つずつ公平な分量で見ていく。いずれもOSSで本体は無料だ。

LangGraph(LangChain)

低レベルでステートフルなオーケストレーション基盤。長時間稼働するエージェントをグラフとして細かく制御できる。checkpointer による durable execution、短期・長期メモリ、Human-in-the-loopに対応。自由度が高い反面、学習コストは高め。コア langgraph は1.2.2で、別パッケージ langgraph-sdk(0.4.0)とバージョン体系が分かれる点に注意(出典: LangGraph公式リポジトリ・参照2026-06-01時点)。

CrewAI

LangChainなどに依存せずゼロから構築されたフレームワーク。役割協調の Crews とイベント駆動の Flows を組み合わせる。Human-in-the-loop と MCP連携(MCP Registry)にも対応。チーム型エージェントを素早く形にしたい用途に向く。最新版は1.14.6(出典: CrewAI公式リポジトリ・参照2026-06-01時点)。

Microsoft Agent Framework

Python と C#/.NET を一貫APIで扱える統合フレームワーク。sequential・concurrent・handoff・group collaboration のグラフベースパターンを備え、MCP・A2A、Human-in-the-loop、checkpointing、time-travel、streaming に対応。AutoGen と Semantic Kernel からの移行ガイドが提供され、両者の流れを引き継ぐ。Python最新版は python-1.7.0(出典: Microsoft Agent Framework公式リポジトリ・参照2026-06-01時点)。

Google ADK(Agent Development Kit)

Googleが公開するコードファーストの開発キット。v2でグラフベースの実行エンジン(Workflow Runtime)とA2A委譲の Task API を備え、マルチエージェントに対応。ライセンスは5つの中で唯一 Apache 2.0 で、Python 3.11以上が対象。Google・Vertexエコシステム中心なら起点になる。最新版は v2.1.0(出典: Google ADK公式リポジトリ・参照2026-06-01時点)。

OpenAI Agents SDK

軽量なマルチエージェントワークフロー向けSDK。Agents・Handoffs・Guardrails・Sessions・Tools という最小限のprimitiveで構成され、学習が比較的容易。Responses/Chat Completionsに加え100以上のLLMに対応するプロバイダ非依存設計で、MCPにも対応。OpenAI中心で軽快に始めたい用途に向く。最新版は v0.17.4(出典: OpenAI Agents SDK公式リポジトリ・参照2026-06-01時点)。

当社実測:既製エージェントCLIはどこまで動くか

フレームワークで自作するか、既製ツールで済ませるか——その線引きの参考に、当社AI編集部が既製エージェント型CLIの代表例 Gemini CLI(無料OAuthで追試可能)に定番4タスクを与えて実測した。

タスク結果所要
既存コードのバグ修正成功(一発・人手修正なし)76秒
CLIスクリプトの新規作成成功(即動作・余計な依存なし)88秒
テスト追加+実行成功(自らテストを実行して検証)82秒
ブランチへのcommit/PR作成成功(リモート無を検知しPRは適切にスキップ)77秒

結果は4タスク全て人手補完ゼロの一発成功(無料枠のレート制限待ちは頻発・自動リトライで完走)。単一リポジトリ内の修正・テスト・コミット程度は既製CLIで足りる水準だ。5フレームワークが効くのはこの先——業務固有ワークフロー・複数エージェント協調・状態管理を自分で設計する領域で、自作の要否は「既製ツールにない協調・制御が必要か」で判断したい。1ツール・1環境・各1回の実測だ(計測: 宮嶋・2026-06-06・v0.45.2。詳細は出典6)。

用途・規模別の選び方

用途・規模別の選び方フロー:5分岐

優劣ではなく、重視点で起点が決まる。

  • 複雑・長時間で制御を細かく書く → LangGraph
  • 役割分担のチーム協調を素早く → CrewAI
  • .NET併用・エンタープライズ運用 → Microsoft Agent Framework
  • Google・Vertex中心 → Google ADK
  • OpenAI中心で軽量に始める → OpenAI Agents SDK

本体は無料なので、候補を2つ選んで最小構成を動かし、書き味で決めるのが現実的だ。

選定時の注意

公式が示す事実として押さえたい点がある。

第一に、AutoGenの現況だ。コアは2025年9月以降新リリースがなく、Microsoftは Agent Framework への移行ガイドを提供している。新規開発では Agent Framework の検討が現実的だが、「AutoGenが終息した」と断定する公式声明は確認できていない。

第二に、バージョン体系の混同だ。GitHubでは langgraph-sdk(0.4.0)が最新に見えることがあるが、LangGraph本体のコアは1.2.2である。

第三に、機能対応の確認だ。公式リポジトリで明示確認できなかった項目は「要確認」とし、推測で対応扱いにしていない。採用前に各公式ドキュメントで裏取りしてほしい。導入の進め方は「社内AI導入を進める5ステップ」も参考になる。

まとめ

LangGraph・CrewAI・Microsoft Agent Framework・Google ADK・OpenAI Agents SDKは、設計思想(グラフ型/役割協調/軽量primitive)と対応スタックで性格が分かれる。制御重視ならLangGraph、協調を素早くならCrewAI、.NET併用ならMAF、Google系ならADK、OpenAI系で軽量ならAgents SDKが起点だ。5つともOSSで無料なので、候補を実際に動かし、書き味と既存スタックの相性で選ぶのが堅実だ。


自社に合う開発基盤を実装観点で整理したい方へ

どのフレームワークを使うべきか実装観点で整理したい場合は、社内AI導入を進める5ステップも参考にしてください。


出典・参考

  1. LangGraph 公式リポジトリ(release 1.2.2・参照2026-06-01時点) https://github.com/langchain-ai/langgraph
  2. CrewAI 公式リポジトリ(release 1.14.6・参照2026-06-01時点) https://github.com/crewAIInc/crewAI
  3. Microsoft Agent Framework 公式リポジトリ(release python-1.7.0・参照2026-06-01時点) https://github.com/microsoft/agent-framework
  4. Google ADK 公式リポジトリ(release v2.1.0・参照2026-06-01時点) https://github.com/google/adk-python
  5. OpenAI Agents SDK 公式リポジトリ(release v0.17.4・参照2026-06-01時点) https://github.com/openai/openai-agents-python
  6. 当社実測: Gemini CLI v0.45.2(モデルgemini-3-flash-preview)共通4タスク検証・2026-06-06・macOS・無料OAuth・計測者: 宮嶋

よくある質問

Q. AIエージェントのフレームワークはどれを選べばいい?
設計思想と自社スタックで選びます。制御を細かく書きたいならLangGraph、役割協調を素早く組むならCrewAI、.NETや企業運用ならMicrosoft Agent Framework、Google系ならADK、OpenAI系で軽量に始めるならOpenAI Agents SDKが起点です。
Q. LangGraphとCrewAIの違いは?
LangGraphは低レベルでグラフを細かく制御する設計、CrewAIは役割ベースのチーム協調を高レベルで素早く組める設計です。制御の細かさか開発スピードかが分岐点です。
Q. AutoGenはまだ使えますか?
コアは2025年9月以降に新しいリリースがなく、MicrosoftはAgent Frameworkへの移行ガイドを提供しています。既存利用は可能ですが、新規開発はAgent Frameworkを検討するのが現実的です。
Q. コーディングツール(Cursor等)とフレームワークは何が違いますか?
Cursorなどは完成した「コーディング支援ツール」、本記事のフレームワークは自律エージェントを自分で「開発する基盤」です。レイヤーが異なります。ツールの比較は「AIコーディングツール比較」を参照してください。
Q. これらは無料で使えますか?
5つともOSS(4つがMIT、Google ADKのみApache 2.0)で、本体は無料です。ただし実行に使うLLMのAPI料は別途かかります。

出典・参考資料

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