Dify vs n8n比較|AIワークフロー自動化どっちを選ぶ【2026】
一次ソース検証型AIメディア編集部 ・ 監修: 依田 尚人
目次
Difyとn8nは「どっちが優れているか」で比べる競合ではなく、役割が違うツールだ。主役がAI(LLMアプリ/RAG)ならDify、主役が既存サービス連携の自動化ならn8n。そして2026年の多くの現場では、片方に絞らず併用するのが正解になりつつある。本記事は2026年6月25日時点の各社公式情報に基づき、どちらの製品も勝たせず用途別に中立整理する。
主役がAI(社内RAG・問い合わせAI・AIチャットボット)を作ることなら Dify が起点。主役が既存サービス間の定型自動化(メール/フォーム/SaaS間連携)なら n8n が起点。AI処理を挟む業務フローなら、n8nを土台にDifyのAPIを呼ぶ 併用 が有力だ。料金は通貨も課金単位も異なり単純比較できず、両者ともセルフホストは無料で試せる(2026-06-25時点)。
なお当社(YDAIコンサルティング AI編集部)は、Dify・n8nの双方を社内16以上の事業で試用しており、Anthropic系の開発受託も行う立場にある。そのうえで、本記事はどちらの製品も勝たせず用途別に中立に整理する。自社サービスへの送客は一切しない。
結論:30秒でどっち(用途別の起点早見)
万能の1ツールはなく、用途で起点が変わる。下表は「やりたいこと→起点ツール→理由→セルフホスト可否」を1行で結ぶ早見表だ。まずここで自分の用途に近い行を見つけてほしい。

| やりたいこと | 起点ツール | 理由 | セルフホスト |
|---|---|---|---|
| 社内RAG/問い合わせAIを作る | Dify | AIロジックをビジュアル設計しAPIで配信・RAGが容易 | 無料(要サーバ) |
| メール/フォーム/SaaS間の定型自動化 | n8n | 既存サービス連携を配線で自動化・トリガー起点 | 無料(要サーバ) |
| AI処理を挟む業務フロー | n8n+Dify併用 | n8nが検知・配線、AI判断はDifyに委譲 | 両方無料 |
| とにかく無料で試す | 両方の無料枠/セルフホスト | クラウド無料枠とセルフホストが両者にある | 両方無料 |
ポイントは「業務の主役がAIの判断・生成なのか、サービス間のデータ受け渡しなのか」をまず見極めることだ。AIが主役ならDify、配線が主役ならn8n。両方絡むなら併用を最初に検討する。料金額は通貨も課金単位も異なるため、この早見表には載せていない(後述のフル比較で出典付き整理)。
比較の評価軸(主役・料金・連携・学習・セルフホスト)
Difyとn8nを並べるときは、機能を羅列する前に評価軸を固定すると迷いが減る。本記事は次の5軸で整理する。

主役は何か(AIか、配線か)
最大の分岐がこれだ。Difyは「オープンソースのLLMアプリ開発プラットフォーム」を名乗り、RAGパイプライン・エージェント(Function Calling/ReAct)・ビジュアルワークフロー・数百のLLM統合・LLMOps観測を備える。主役はAI(LLMアプリ/RAG)だ(出典: Dify公式GitHub・参照2026-06-25時点)。一方のn8nは「fair-codeのワークフロー自動化プラットフォーム(ネイティブAI機能)。ビジュアル+カスタムコード、セルフホスト/クラウド、400以上のインテグレーション」を自称する。主役は既存サービス連携の配線だ(出典: n8n公式GitHub・参照2026-06-25時点)。
料金体系・連携・学習・セルフホスト
残る4軸を整理する。料金体系は、Difyがメッセージクレジット課金+LLM推論コスト別課金、n8nが実行回数(execution)課金で、通貨も単位も異なる。連携の広さは、n8nが400以上のインテグレーション、Difyが数百のLLM統合とRAGで方向性が違う(出典: 各公式GitHub・参照2026-06-25時点)。学習コストは両者ともノーコード/ローコード寄りだが、Difyはアプリ設計、n8nはノード配線と発想が異なる。セルフホストは、n8nが比較的軽量、Difyがdocker-composeで十数コンテナと構成が重めだが、いずれも基本機能は無料だ。
Difyの強みと向く用途
Difyの強みは「AIロジックをビジュアルで組み立て、APIとして配信できる」ことに尽きる。

具体的には、文書を取り込んで検索する RAGパイプラインの構築が容易で、Function Calling や ReAct を使うエージェント、数百のLLMを切り替えられるモデル管理、運用を観測する LLMOps を備える(出典: Dify公式GitHub・参照2026-06-25時点)。そのため向く用途は、社内ナレッジを参照する RAG、問い合わせの一次対応、AIチャットボット、プロンプトやモデルを切り替えて使うAIアプリなど、AIの判断・生成そのものが業務の中心になるケースだ。
ライセンスは Dify Open Source License(Apache 2.0ベース+追加条件)で、コミュニティ版はオープンソースだが、無断のSaaS化には条件が課される(出典: Dify公式GitHub・参照2026-06-25時点)。料金は、クラウドの Sandbox が無料(200メッセージクレジット・更新なし)、Professional が月59ドル(5,000クレジット)、Team が月159ドル(10,000クレジット)、Enterprise は要問い合わせだ。ここで注意したいのは、プラン料金とは別に LLM 推論コストが選択プロバイダ側で課金される点で、月59ドルが総額ではない(出典: dify.ai/pricing・参照2026-06-25時点・要再確認)。セルフホスト版はOSSで無料だが、インフラ費とLLM費は別途かかる。
n8nの強みと向く用途
n8nの強みは「400以上の既存サービスを配線でつなぎ、トリガーから出力まで自動化できる」ことだ。

トリガー(受信メール・フォーム・Webhook・定時実行など)を起点に、処理を経て出力までをビジュアルで配線でき、必要に応じてカスタムコードも差し込める。セルフホストも比較的軽量だ(出典: n8n公式GitHub・参照2026-06-25時点)。向く用途は、メール要約をSlackへ流す、フォーム入力を分類して記録する、定時バッチ、SaaS間のデータ同期など、複数サービス間のデータ受け渡しが業務の中心になるケースである。
ライセンスは fair-code の Sustainable Use License で、要点は「自社の内部業務目的または非商用/個人利用に限り使用・改変が可能」「他者への配布は非商用かつ無償の場合のみ」「ライセンス/著作権表示の改変・除去・隠蔽は不可」だ。n8n自身がOSI定義のオープンソースではないと明言しており、自動化そのものを外部向けの有償サービスの価値提案にすると制限がかかる点に注意したい(出典: n8n LICENSE.md・参照2026-06-25時点)。料金は、クラウドの Starter が年払いで月あたり約20ユーロ(月払いは約24ユーロ・2,500実行)、Pro が月50ユーロ(10,000実行)、Business が月667ユーロ(40,000実行)、Enterprise はカスタムだ。課金は実行回数(execution)に対するもので、1実行はワークフロー全体の1回の走行を指し、ステップ数によらない。セルフホストの Community Edition は無料で実行回数も無制限だが、SSOやGitベースの版管理などはBusiness/Enterpriseライセンスが必要だ(出典: n8n.io/pricing・n8n公式GitHub・参照2026-06-25時点・要再確認)。
フル比較表(主役・料金体系・連携・ライセンス)
ここまでの違いを1表で自己完結させる。各項目は本文中で示した出典・参照日に基づく。

| 比較項目 | Dify | n8n |
|---|---|---|
| 主役 | AI(LLMアプリ/RAG)を組む | 既存サービス連携の自動化配線 |
| 得意領域 | RAG・エージェント・モデル管理・LLMOps | 400以上の連携・トリガー自動化 |
| 料金体系 | メッセージクレジット課金+LLM別課金(USD) | 実行回数課金(EUR) |
| 無料の始め方 | クラウドSandbox無料/セルフホスト無料 | Community Edition無料/クラウド無料枠 |
| 連携 | 数百のLLM統合+RAG | 400以上のインテグレーション |
| セルフホスト | OSSで無料(docker-compose十数コンテナ) | Community Edition無料(比較的軽量) |
| ライセンス | Dify Open Source License(Apache2.0ベース+条件) | fair-code(Sustainable Use License・OSI定義のOSSではない) |
料金額は本文の各セクションで出典・参照日付きに記載したとおりで、Difyはdify.ai/pricing、n8nはn8n.io/pricing(いずれも参照2026-06-25時点・要再確認)が一次ソースだ。改めて強調すると、料金は通貨も課金単位も異なり、Difyはプラン料金にLLM推論費が乗らず別課金、n8nは実行回数で課金され、両者ともセルフホストは無料だ。このため「どちらが安い」という断定はできず、料金体系の考え方の違いで選ぶのが正しい。
併用パターン:n8nを土台にDifyのAPIを呼ぶ
2026年に広く観察されるのは、どちらか1つを選ぶのではなく両者を併用する設計だ。n8nを自動化のバックボーンにし、AI処理が必要な箇所でDifyのAPIを呼ぶ、という役割分担である(出典: n8n vs Dify 比較記事ほか複数で一致するトレンド観察・参照2026-06-25時点)。
具体的なレシピはこうなる。受信メール・Slackメッセージ・Webhook・定時実行といったトリガーをn8nが検知し、分類・要約・返信生成のようなAIの判断が必要な工程はDifyのAPIに委譲する。Difyが返した結果を、n8nが再びSlackや記録先へ出力する。こうすると「サービス間の配線・トリガー・分岐」はn8nの得意分野、「AIの判断・生成」はDifyの得意分野に振り分けられ、どちらか一方の苦手を無理に埋める必要がなくなる。
実務上の勘所は、ツールを選ぶ前に「この業務はAIの判断と配線のどちらも必要ではないか」を一度問うことだ。両方が必要なら、1つに絞るより役割分担した併用のほうが素直に収まることが多い。なお具体的な件数や割合といった数値は、出所が定性的なトレンド観察にとどまるため本記事では示さない。
当社試用での使い分け判断(編集部の実運用観察)
ここからは、当社(YDAIコンサルティング AI編集部)が社内16以上の事業でDify・n8nを双方試用した定性的な知見だ。効果を数値化したベンチマークではなく、実運用での使い分け観察として読んでほしい。
当社では、Difyを社内RAGや問い合わせの一次対応に、n8nをメール要約からSlack通知へ流すような定型業務の連携自動化に試用してきた。その経験から固まった使い分けの判断分岐は次のとおりだ。業務がAIの判断・生成を主役とするなら Dify、業務が複数サービス間のデータ受け渡しを主役とするなら n8n、その両方が絡むなら n8n+Dify の併用、という3分岐である。
中小規模でまず触ってみるなら、単発のAIアプリはDifyの無料枠から、既存業務の自動化はn8nのセルフホストかStarterから入るのが実務目線の入口になりやすい、というのが編集部の実運用観察だ。いずれもベンチマーク数値ではなく当社のユースケース実例に基づく定性的な目安であり、最終的には自社の業務がどちらを主役とするかで判断してほしい。
用途別おすすめとまとめ
最後に用途別のおすすめを再掲する。社内RAGや問い合わせAIなどAIアプリを作るなら Dify が起点、メールやフォーム・SaaS間の定型自動化なら n8n が起点、AI処理を挟む業務フローなら n8n+Dify の併用が起点だ。
要点をまとめると、Difyとn8nは競合ではなく役割が違い、勝者はなく用途で選ぶ。迷うなら1つに絞る前に併用を検討する。料金は通貨も課金単位も異なるため「安い/高い」ではなく料金体系の考え方で判断し、両者ともセルフホストは無料で試せる。なお、コードでエージェントをスクラッチ実装する場合のフレームワーク選定は本記事とは別問題で「AIエージェント開発フレームワーク比較」へ、内製か外注かの事業判断は「AIエージェントは内製か外注か」へ、そもそもAIエージェントとは何かは「AIエージェントとは」へ委譲する。料金や仕様は変動が速いので、導入前に各社公式で最新を確認してほしい。
ツール選定の前に、AIで何ができるかを整理したい方へ
Difyもn8nも、まず「AIエージェントで何を自動化したいか」が定まると選定が速くなります。前提整理には「AIエージェントとは」、内製か外注かで迷う方は「AIエージェントは内製か外注か」も参考にしてください。
よくある質問
- Q. Difyとn8nの一番の違いは?
- 主役が何かが違います。DifyはAI(LLMアプリ/RAG)を組み立てるのが主役で、n8nは既存サービス間の連携を配線で自動化するのが主役です。Difyは「AIロジックを作ってAPIで配信」、n8nは「トリガーから出力まで処理をつなぐ」と覚えると整理しやすいです(出典: Dify公式GitHub/n8n公式GitHub・参照2026-06-25時点)。
- Q. 結局どっちを選べばいい?(用途別)
- 社内RAGや問い合わせAIなどAIアプリを作るならDify、メールやフォーム・SaaS間の定型自動化ならn8n、AI処理を挟む業務フローならn8n+Dify併用が起点です。1つに絞る前に、併用で役割分担できないかを先に検討するのが堅い進め方です(2026-06-25時点)。
- Q. Difyとn8nは併用できる?
- できます。n8nを自動化のバックボーンにして、AI処理が必要な箇所でDifyのAPIを呼ぶ構成が2026年に広く観察されるパターンです。受信メールやWebhook・定時実行をn8nが起点に取り、分類や要約・返信生成はDifyに任せて結果をn8nが出力する、という役割分担になります(出典: n8n vs Dify 比較記事ほか複数で一致するトレンド観察・参照2026-06-25時点)。
- Q. 料金はどっちが安い?(単純比較できない理由)
- 単純比較はできません。DifyはUSD建てのメッセージクレジット課金で、別途LLM推論コストが選択プロバイダ側で課金されます。n8nはEUR建ての実行回数(execution)課金です。通貨も課金単位も異なり、さらに両者ともセルフホストは無料のため、「どちらが安い」と一概に断定できません(出典: dify.ai/pricing/n8n.io/pricing・参照2026-06-25時点・要再確認)。
- Q. セルフホストは無料?オープンソース?
- 両者ともセルフホストの基本機能は無料ですが、ライセンスの性格は異なります。DifyはDify Open Source License(Apache 2.0ベース+追加条件)、n8nはfair-codeのSustainable Use Licenseで、n8n自身がOSI定義のオープンソースではないと明言しています。両者を一括りに「オープンソース」と扱わない点が重要です(出典: Dify公式GitHub/n8n LICENSE.md・参照2026-06-25時点)。
出典・参考資料
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